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親父の背中と焦げた鍋

暖かくなってきたので、そろそろ鍋料理ともおさらば。
先日、その最後を締めくくるのは?と考えた末、落ち着いたのがトン汁。
このトン汁、圧力鍋で炊いたモチモチのごはんとの相性は無類である。
因みに、一度に大量に作り、なんとも具沢山の我が家のトン汁は、僕の中では立派な鍋料理。
そんな鍋の季節も終わったし、春の陽気で解放感いっぱいのところに、時同じくしてスクールホリデーである。
ホリデー中は、娘が料理を手伝うルールとなっている。
野菜を切るだけの鍋料理はもう終わり。そんなに人生甘くない。
1年生の息子は勉強。娘は料理。
というわけで、さっそく作ってもらおうではないか。

炊飯器には一口だけ残ったご飯。
圧力鍋にはその前に炊いたご飯が少々。
冷蔵庫を開けるとそこには、だいぶ前にお弁当で残した巨大おにぎりが一つ。
そして中途半端に残った最後のトン汁。
すべて賞味期限をとうに過ぎた食料であり、今すぐ全部混ぜてとっとと食べたしまいたいところ。
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ここは当然、トン汁の雑炊である。

小学校6年生の娘には少々簡単すぎる料理である。何せ火をつけて卵かけて混ぜるだけ。包丁も使わない。
鍋のトン汁が沸騰したらすぐにご飯とおにぎりを投入して、固まった冷ご飯がバラバラになるように優しくかき混ぜる。
ご飯を入れたら焦げ付くから、気を付けること。
再度沸騰したら、卵をかけて、かるーくかき混ぜて、弱火にしてふたをするだけ。
ここでも気をつけないと焦げ付く。寧ろ火など止めてもいいくらいだ。
一方、流しには、洗っていないお皿やらコップが少々溜まっている。
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もうトン汁には火はつけておいたから、沸騰するまでの間、まずは皿洗いから。
とっとと洗わないと、炊飯器のおかまや圧力鍋を流しに置けない。
空いている時間で、食器やおかまを洗いながら、焦げないように雑炊をチェックすること。
そう言い残して、料理から解放された僕は自分の部屋で仕事を始める。

毎日、家で料理や皿洗いをしている父親の背中を見て育った娘である。
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ここはジブリのヒロインのような手際の良さを見せてくれるに違いない。
部屋で仕事をしていると、キッチンから娘の鼻歌が聞こえる。
ジブリの映画のようではないか。
流石は僕の背中を見て育った娘。ここは余裕である。

ただ、そのあまりの余裕にちょっと心配になり、覗いてみる。
すると娘は流しの前で鼻歌を歌いながら皿洗いと思いきや、両手を使って指で輪を作り、時折、そこにできた洗剤の幕を、優ーしく優ーしく、ふーーーっと吹いている。
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そこには、すごい集中力で一心不乱にシャボン玉を作っている娘の背中があった。
既に、鍋の中では煮立ったトン汁が溢れださんばかりにぐつぐつ音を立てている。
イロハのイでこれである。
娘は、僕の背中を見て育ったのではないのか?
それとも、僕がいつもキッチンで背中を向けてシャボン玉に興じているとでも思っていたのか?
てか、今まで何見てきたんだこいつは?

すかさず僕が弱火にして、ご飯を投入する。そして、圧力鍋とオカマを流しに下げて、鍋の中で冷やご飯をバラバラにして、卵を投入する。これは娘の担当ではなかったのか?
あとは卵が固まるのを待つだけである。
娘は反省したのか、一生懸命に圧力鍋を洗っている。
その鍋は暫く水につけておかないとキレイにならない。そんなこともわからんのか?
圧力鍋は洗わなくていいから、焦げ付かないよう雑炊にはくれぐれも注意しろ、と言い残して仕事のキリをつけに部屋に戻る。
暫くすると『できたよー♪』と娘の声がした。
ところが、部屋から出ると、火は消えているものの鍋の焦げた臭いがする。
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何故だぁ!あれほど言ったのに。

仕事をやりきったつもりなのか、娘は雑炊をお椀にもって、いそいそとお箸を並べている。ここだけ見れば、ジブリのヒロインのようだ。
なのに、鍋の底には焦げたご飯がこびりついている。ジブリじゃねぇよ全然。
それも
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『おこげって美味しいよね♪』
というレベルではない。誰が洗うんだこれ?俺か?やっぱり俺か??
さすがに僕の説教が始まる。
『あれほど言ったのに。何故気をつけなかった?』
などと言ったところで、娘はこれが焦げた状態だ、ということをそもそも理解していなかった様子。
それなら焦げた臭いでわかりそうなものだろう。
お前の鼻の穴は節穴か?
などと説教も盛り上がってきて、よっしゃぁさぁこれからぁ!、という時に、勉強を終えた息子が登場。

『お父さん、マルつけてぇ』
マル以外につけるものの方が多いのだが、さすがに『お父さん、バツつけてぇ』とは言わない。
娘にとっては救いの神である。
一人で勉強を黙々と頑張った息子に、『うるさい後にしろ!』とはさすがに言えず、お説教は中断。
息子の宿題はここ最近ずっと、絵を見てそれをカタカナで書く練習、である。
問題を見ると、そこにはテレビの絵があった。
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なのに息子が書いたカタカナは
『テデビ』
それは今年に入って聞いた中で一番バカっぽい言葉だった。
確かに季節の変わり目である。風邪をひかないまでも、鼻は詰まったりもする。
でもそうじゃない。こいつは生まれてこのかた7年もの間、鼻が詰まっていようがいまいが、あんなにあんなに大好きなテレビのことをずっと『テデビ』だと思っていたらしい。
今すぐテレビに謝ってこい。
息子の予想外の回答に、呆れんばかりだ。
それを見て僕と一緒になって爆笑している娘も、おそらく鼻が詰まっていたのであろう。
おかげで鍋が焦げたことなぞ気が付かなかったのだ。
そうだ、そういうことでいいではないか。

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親の背中を見せるのはいいが、子供の背中も見なくては鍋がこげつく。
さて、この焦げ付いた鍋、どうしたものか。


 

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