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奥深い本から下着まで? ReNCOUNTER の本屋さんに行ってきましたよ

一年を振り返る季節となったが、何とも目まぐるしい年だった。
誰もがそうであるように、前日とは違う一日を300回以上過ごして、新しい経験を積み、一年前より明らかに成長した自分になったのであろう。
涙あり笑いありの良くも悪くも彩り豊かな一年だったことは確かだ。
とはいえまだ12分の1近くも残っている。山ほど溜まったやり残しのことを考えると、そんな感傷に浸っている余裕などない。
このやり残しを少しでもゼロに近づけるために僕が利用しているのが、カリスマ美容師ヒデさんの本屋さんである。
実はこの本屋さん、仕事がすこぶるはかどる。

11月1日の開店初日にヒデさんのインタビューにお邪魔したのがきっかけである。
『次回は一利用者としてお伺いして、実際にこの空間を体感して記事にしますね』
などと調子のいいことを言ったまでは良かったが、今や本屋さんの取材などそっちのけで自分の仕事を持ち込んで、入り浸っている。
自分の図々しさに呆れんばかりだ。
しかしそれというのも、すべてこの畳とちゃぶ台のおかげなのである。

僕がお店にふらっと顔を出すと、店番のヒデさんや女性スタッフがボーっと畳でくつろいでいたりする。
仕事を持ち込む気満々の僕に、ちゃぶ台と座椅子を譲ると、
『何か飲みます?』
とか言いながらカウンターに場所を移す。
くつろぎの場所を奪われた上に、これから約4時間にもわたってこの特等席を占有するであろう不届き者でも快くもてなす、というこの寛容なスタイルには脱帽する。

お薦めは?と聞くと、どうやらコーヒーにこだわっているらしい。
コーヒーが苦手な僕は涙を呑みながらお茶を飲むことにするのだが、勿論、このお茶にだってこだわりがある。
オージーのオーガニックプロダクトでありながら愛知の抹茶をブレンドしており、ポットで Refill 自由にして一杯6ドルというリーズナブルプライスの、こちらのお茶を頂くことにした。
聞けばふんだんにお茶っ葉を使っており、二番煎じでも十分おいしいというではないか。
ちゃぶ台にお茶にPC。これぞ至福の時である。

これで仕事に集中できる。

この日は毎週金曜日を担当する新しい女性スタッフを相手に、ヒデさんがあれやこれやと説明をしていた。
明るく社交的でチャーミングな彼女はバリバリのバリスタらしく、やはりコーヒーにはかなりのこだわりがあるようだ。
僕はPCに向かって黙々と仕事をしてはいるのだが、二人のコーヒー談議に思わず聞き耳を立ててしまう。
草食動物なら両の耳が二人へ向きっぱなしになるはずだ。見た目で一発でバレるであろう。
人間でよかった。

僕のこの諜報活動によると、どうやらコーヒーを入れる際にHempでできたフィルターを使っているらしい。
まったくもって関係ないのだが、この文章を書いた正に今この瞬間まで、Hemp(=麻)を”ケンプ”と聞き間違えた上に、この初めて耳にしたケンプなる布は、おおかたドイツか北欧あたりの特産品か何かであろうと勝手に思い込んでいた。
Wilhelm Kempff など如何にもドイツ人にいそうな名前ではないか。

更に不幸は不幸を呼び、記事の公開前に一応ネットをチェックしたところ、今度は本当に絹布(ケンプ)なる布がこの世に実在することを知ってしまうこととなる。こうなるといよいよ
『この麻っぽいのってシルクなんだ、へぇ』
などと感心するようになり、最後の最後に自ら撮ったHempの掲載写真をよくよくチェックしなければ、危うく自分の頓珍漢を世界中に配信するところであった。
さて、洗えば何度でも使えるこの Hempのコーヒーフィルターには、このお店の『エコロジー』というこだわりを感じさせられる。
そして、使い捨てのフィルターとは明らかに味が変わるとのこと。
そうと聞くと、いっそこだわりのコーヒーを頼んで畳で4時間ぐったりしておけばよかった、と心の底から後悔してしまう。

実は、このフィルターに限らず、本と一緒に棚に並んでいる小物にも地球環境を考えて作ったものが取り入れられている。
そしてエコロジーと並ぶもう一つの『こだわり』が、これらの作品がこの本屋さんの棚に並ぶまでの『ストーリー』なのである。
例えばそれは、

わざわざミャンマーからフェアトレードで取り寄せた材木を、新潟の職人が使う人のことを考え抜いて作った、という食器であり、
その職人がなぜミャンマーの材木を使うに至ったか、
そして、ヒデさんがいかにしてその作品と巡り会い、
この作品を売ってくださる方と、どんな素敵な出会いがあったか、
といったストーリーでもある。
これは是非とも実際にお店でスタッフの方から聞いてほしい。

食器のみならず、棚に鎮座する益子の焼き物にしても、コーヒーも、今川焼きも、甘酒も、オーガニックスープも、Hempも、キャンドルも、すべてここに来るまでの興味深いストーリーがある。
そして驚くべきは、何とここにある本一つ一つすべてにも、例外なくこういった『ストーリー』がある、というのである。
そう、この本屋さん、ただ単に売れそうな本を仕入れて、右から左に売る、というわけではない。
ヒデさんをはじめとしたスタッフの方々が実際にその本を読み、読んだが故に彼らが体験し感じた面白いストーリーや思い入れがなくては、棚に並ばないのである。

『えぇ本当っすか?んじゃこれは?』
開店初日、たまたま目の前にあった絵本を差し出してヒデさんに聞いたことがあるのだが、なるほど確かにその本とヒデさんの興味深い話が聞けた。
そんなストーリーを聞いたうえで実際に読んでみると、絵本と言えど奥が深い。
こうなると、だんだんこの『本屋さん』が何なのかが、自分なりにわかってきた気がしてくる。
僕に言わせると恐らく、気軽でオシャレでアートのミュージアムな本屋さんなのである。
ここには本に限らず作品が『展示』されており、それらの作品を見て触って読んで買うことは勿論、なぜこれを展示するに至ったのか、という出展者だけが体験した素敵なストーリーも共有できる。
そして何と言っても僕の大好きな、
『接客しない接客』
である。

いくら面白いストーリーがあったからと言って、別にそんなものをひけらかしたり押し付けたりはしない。
『面白ストーリーでも聞かせてYo、どんどん売って儲けようぜYeah!』などという気合がまったく感じられないのである。
ヒデさんお気に入りの益子の焼き物に至っては、ストーリーを聞くと買いたくなってしまうのだが、
『正直、買われてしまうと寂しいかも』
なのだそうだ。

くだらないネタに頭をひねり、いかにして多くの人に気に入ってもらえるか、と躍起になって文章を書いている僕からすると、何とももったいない話である。

さてさて、女性スタッフとヒデさんの話題はコーヒーフィルターをきっかけにHempの小物に話が移ったようだ。
そういえば、カウンターの前に並んだHemp素材の小物には、一風変わったものがある。
見た目は何だかわからないのだが、こちらはチャッカマンのように手から離れた場所に安全に火をつけるための物、とのこと。

なかなかのアイデア商品である。
そして中でもヒデさんこだわりの品は、Hempの『ふんどし』である。
パンツのようにゴムを使わないから、一生使えてエコロジー、加えて何とも言えない解放感と、使うほどに体に馴染む、というこのHempのふんどしが如何に素晴らしい逸品なのか・・・
そんな彼の実体験に基づく壮大なストーリーを大真面目に、僕の位置から5mほど右先で、若くてチャーミングな女性スタッフに説いている。
如何にすれば訴えられることなく、今日の自分の下着について、かくも事細かに若い女性に説明できるのか、その答えがここにあった。
決してセクハラでもパワハラでもない。
これは新人スタッフの立派な研修であり、話している本人も聞いている彼女も真剣そのものだ。
ここで僕がそんな話をしようものなら、恐らく猥褻物を目の前で陳列した罪で出入り禁止のうえ警察を呼ばれることは明白である。

しかし、自らふんどしをズボンにあてがいながら、その巻き方を具体的かつ丁寧に説明した上、更に彼女にHempのふんどしをお薦めし始めたあたりから、まてまてまて、と僕のキーボードの手は止まり、身体の全血液と全神経が右の耳に集中してしまう。
バランスが崩れてそのまま右に倒れそうだ。
『どういうこと?』
『何やってるのこの人?』
『これは記事にしていいのか?』
『というか、ここは年長者として注意するべきなのか?』
『ヒデさんってふんどしなのか?』
『女性用もあるのか?』
『トイレはどうするのか?』
『ということは、毎週金曜日にくれば、このチャーミングな女性スタッフから、漏れなくふんどしの素晴らしさを聞けるというのか?』
『てか、ドイツ人ってふんどし使うのかよ!?』
すると、頭がふんどしで混乱しながらも何とか、PCに集中する、という見た目を装っている僕に
『なごまさんもどうですか?』
なんと、5m先からの諜報活動が完全にバレているではないか。
『いやぁ、僕はちょっとぉ、いいですよぉ』

と中途半端ににやけた自分の顔は、さぞやキモイおっさんを露呈していたことであろうが、幸い、出入り禁止と猥褻物陳列罪は免れたようだ。

さてさて、この記事を書くにあたり、試しに楽天市場で『ふんどし』を検索してみたところ、何ともポピュラーな下着であることがわかった。
ふんどしの人気ランキングまであるくらいだ。

後で分かったが、実際に自分の知り合いも普通に使っており、自分の見識の狭さを思い知らされた。
ただ、恐らくシドニーでふんどしが手に入るのはこの本屋さんくらいであろう。
楽天など使わず、是非ともここで実際に手に取って試して頂きたい。

その後、何度も本屋さんに足を運んでは取材や仕事と称しながらこっそり諜報活動にも勤しんでいるのだが、お客さんが入る度に、この
『コーヒー如何ですか?』
の話題が
⇒『Hempのフィルター使ってて、おいしくてエコなんですよ』
来るかふんどし
⇒『そこにも置いてあるけどHempってすごいんですよ』
来るのかふんどし
⇒『例えばこのふんどし・・・』
来たこれ、ふんどし!!
という展開となるのを、ついつい期待してしまう。

こんな一風変わった本屋さんであるが、本から下着まで取り揃え、エコで一つ一つのモノにこだわりがあり、勝手気ままに自分の時間と空間を過ごすことができる。
窓側の隅に鎮座する畳とちゃぶ台も是非とも利用して頂きたい。
但し、そこにお茶を飲みながらPCをカタカタやって仕事しているフリをした耳の大きなキモイおっさんがいたら要注意である。

 

ATELIER
By ReNCOUNTER

◇所在地
Level 2, 246 Military Rd,
Neutral Bay NSW 2089
Open 11:00amくらいから夕方まで
月曜定休

日本食レストラン『新橋』の2階です。
隠れ家的なコンセプトなので、看板はありません。
建物に向かって左側に、裏のパーキングに通じる道がありますので、
(壁にアートが描かれています)
そこを入って、外の階段を上ると、本屋さんです。
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◇問合せ
0452 150 215

◇フェイスブック
www.facebook.com/rencounter


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